2022年2月
院長のつぶやき(44):2月1日
<隣の三尺>
おはようございます。新型コロナのオミクロン株感染第6波の勢いが止まりません。一日の新規感染者数が7万人を超える日が連日続いています。英米仏の20万人超に比べればまだまだ少ないですが・・・。
オミクロン株は症状が軽いとのことですが、それでも心配です。海外では急拡大・急減少の兆候があるようですが、日本でも重症化や医療崩壊する前に減少に転じてくれればと願っています。
幸い私はまだ症状は出ていませんが、家族の中にも症状が出始めており、いよいよコロナが近づいてきたなと言う感じがしています。なんとかこのまま感染せずに推移してくれればいいのですが・・・。
さて、今月のつぶやきは「隣の三尺」と言う言葉についてです。この言葉は、私の認識では、仏教説話から来ていると思っています。
この言葉の意味するところは、「お隣さんとの境界付近を掃除する時などは、境界から三尺(約1m)ぐらい、隣の分まで掃除するのがイイ関係を保つのに良いですよ」と言うことです。これは、近所付き合いする上での要諦だと思います。
お話の出自は諸説あるようですが、特にドラえもんの吹き替えで有名な大山のぶ代さんの話がよく知られているようです。
私が承知しているお話の内容は、嫁と姑の会話から始まります。
落ち葉の季節でしょうか、嫁は毎朝家の前の道路を掃き掃除していました。隣家には少し年とったおばあさんが住んでいて、毎朝同じように一緒に掃き掃除をしていました。
ある朝いつも通りに道路を掃き掃除して終わりましたが、隣のおばあさんが出てきません。嫁は「おばあさん、体の調子でも悪いのかもしれない。おばあさんとこも掃除しておいてあげよう」と思い、おばあさんの家の前を全部掃除しました。
家に帰りこのことを得意げに姑に話すと、姑は「バカだよ、この娘は」と言いました。嫁は怪訝に思い「どうしてですか?おばあさんのためにやったんですよ」と。すると姑は「明日の朝になればわかるよ」と。
次の朝、嫁はいつも通り掃き掃除をするため家の前に出てビックリ、なんと自分の家の前の道路がきれいに掃除されていました。
何年か前にこの説話を読んだ時、すごく印象に残りました。対人関係、特に隣人との関係の機微をついた話に感心しました。物事もちろんやり足りなくてはいけませんが、やりすぎてもいけないと、小さな親切でも大きなお世話になると。
それ以来、人との付き合いは距離を意識し、人間関係には注意しています。
特に、冬の北海道は除雪がありますが、除雪するときは境界より少し隣家側まで除雪するようにしています。(隣人が先に除雪していることのほうが多いですが)。
今年の冬も、この「隣の三尺」の教えを心がけた除雪をしようと思っています。