2020年10月

院長のつぶやき(28):101

 

<「三上」よりも「湯上」で>

 

おはようございます。菅内閣が誕生し2週間が過ぎました。支持率も高く、各国首脳との電話会談を精力的にこなすなど、順調な滑り出しと言えます。引き続きコロナ対策と経済再生及び改革に邁進してもらいたいと思います。

 

さて今日は、「三上」についてつぶやいてみたいと思います。

 

「三上」とは皆さんご承知の通り、昔の中国の学者さんが、文章を推敲するのに最適な場所として、「馬上、枕上、厠上」の3か所を挙げていました。意味するところは、

 ・「馬上」:馬に乗っている時

(現代風に言えば車に乗っている時)

 ・「枕上」:寝床に入っている時

 ・「厠上」:便所に入っている時

 

この3か所の共通するところは、他人に邪魔されず一人になれるところでしょうか。

私的には、現在この「三上」が文章を推敲する時というよりアイデアを生み出す場所でもあると思っています。

 

この中で特に私がお勧めしたいのが「厠上」です。日本の昔のトイレは「和式」と呼ばれ、水洗トイレが普及する前までは、ぽっとん便所であり、しゃがんでしなければならず、臭くて、足が痺れて・疲れて長くしゃがんでいられません。とてもじゃないが、文章を推敲するどころか早く出たいものでした。

 

「洋式トイレ」になった今、長時間の用足しでもほとんど疲れることもなく、物を考える(アイデア)を生み出すのに最適な場所と言えます。私は、一度入ると約30分はこの孤独の空間を利用して本を読んだり、スマホをチェックしたりしています。

 

でも、この「三上」の空間よりもっといいところがあります。それが表題に掲げた「湯上」です。

 

前にも書きましたが、「三上」が文章を推敲することも含めてアイデアを生み出す場所と考えれば、お風呂(湯舟)が最高だと思います。

 

湯舟にゆっくりつかり、身も心もリラックスして、頭も冴え、イベントの企画や懸案事項の解決、スケジュールの細部の詰めなどのアイデアを浮かべるのにお風呂(「湯上」)ほどいいところはありません。

 

なぜ中国人がこの「湯上」を「三上」に加えなかったのか不思議でなりません。(「ニーハオトイレ」と言われるような開放的なトイレで本当に文章が推敲できたのでしょうか?)

 

また、アルキメデスの原理を発見した古代ギリシャのアルキメデスは、お風呂でこの原理が閃いたと伝えられています。やはりアイデアを得るのにお風呂は最適な場所だと思います。

 

毎日の生活の中で「三上」と「湯上」を活用し、いいアイデアを出し、張りのある生活をしましょう。