2020年9月

院長のつぶやき(27):91

 

<「キタキツネ物語」に想う>

 

おはようございます。先月28日、安倍総理大臣が、健康がすぐれないとの理由で辞任を表明されました。まだまだやってもらいたいと思っておりましたが、非常に残念です。心からお疲れ様と言いたいです。

 

さて今日は、「『キタキツネ物語』への想い」についてつぶやいてみたいと思います。

 

私の子供がまだ小さかった頃、テレビで「キタキツネ物語」という番組をやっていたことがありました。細かいストーリーは忘れましたが、北キツネの生態をドキュメンタリー風に放送し、親離れ・子離れが主題だったと思います。

 

ある日を境に、今まであんなにやさしかった母キツネが、巣穴に帰ろうとする子ぎつねを突然厳しく追い払おうとします。戸惑う子ぎつねは何度も何度も巣穴に向かいますが、母キツネは巣穴に戻ることを許してくれません。

 

どうしてなんだろうと思っていましたが、ナレーションの助けもあり、この日を境に母キツネは子ぎつねに親離れさせる行動をとったことがわかりました。

 

そしてとくに印象に残っているシーンは、巣穴を後に果てしなく続く鉄道線路の中を何度も何度も振り返りながら、寂しそうに立ち去っていく子ぎつねの後ろ姿です。

 

「親離れ・子離れ」とはこうゆうことかと、妙に納得したことを覚えています。そして親としていつか子供達に親離れを申し渡さなければならないと自覚したものです。

 

その時から、妻や子供達に折に触れ「キタキツネ物語」を語り、独立への心構えを培ってきました。やがて子供達も大きくなり、家を出て独立する時には、「キタキツネ物語」よろしく、「2度と戻ってくるんじゃないよ」と送り出しましたが・・・。

 

妻は、「子供は北キツネではない!いつでも戻ってらっしゃい。」と言って見送っていました。

 

テレビ・ラジオ・新聞などの人生相談で、親離れ・子離れに関する相談などがあると、相談者にぜひこの「キタキツネ物語」を見てヒントを得てほしいと思ってしまいます。

 

幸いにも2人の子供たちは、無事親離れができて独立し、私たち夫婦も無事子離れができて2人で静かな老後を送っています。