2020年4月
院長のつぶやき(22):4月1日
<新型コロナウイルスについて考える>
おはようございます。いよいよ四月になり、新学期や新年度が始まりますと言いたいところですが、今年は新型コロナウイルスの猛威でそれどころではありません。
全世界の人々が、「まさかここまでになるとは!」と思っているのではないでしょうか?
1月に中国で始まったウイルス感染事態に我々はどのように考えればよいのでしょうか?
すでに全世界で多数の議論がなされ、多くの知見が得られ、対処がとられており、専門的なことはわかりませんが、一市民としての思いをつぶやいてみたいと思います。
1つ目は、「今までのウイルスとはまるで大違い」
思いの第1は、今までのウイルスにはない、あっという間に拡大し重症化する感染力です。鳥インフルやSARSの時もすごいと思いましたが、その比ではありません。志村けんさんも亡くなってしまいました。
また、ウイルスの『ワクチン』と『治療薬』がないということも問題です。鳥インフルやSARSは、それなりにワクチンや治療薬が開発され、終息を迎えましたが、今回はこのワクチンや治療薬がないことで先が見えない不安があります。このため我々はどのように対処すればいいのでしょうか?
それには、ともかくクラスターを作る三密(密閉・密集・密接)を避け、不要不急の外出をしないようにして、ワクチンや治療薬が見つかるまで感染しないようにして生き延びるしかないように思います。
第2:日本と外国との対応の差
外国の都市封鎖の映像を見ていると、現実の日本とのギャップに呆然としてしまいます。
日本の対応は、果たしてこれでいいのかと不安にもなります。
しかし日本の対処は、症状がありかつ重症化傾向の人に対してのみの検査であり、つまりトリアージ(識別救急)対処です。謂わば大災害時の対処方法を採用しています。
むやみに検査数を増やせば偽陰性を含む陽性患者が幾何級数的に増加し、全員入院隔離措置をとれば医療崩壊するのは目に見えています。現状この対処要領でいいのかなとは思います。
しかし、今後市中感染が増加し、感染経路が追えなくなれば検査数を増やし、現状把握をすることが必要になるかと思います。この点お隣の韓国が30万人以上の検査で現在医療崩壊を起こしていないのは素晴らしいことであり、ノウハウを吸収し対処すべきと思います。
第3:指定感染区分の変更の必要
新型コロナウイルスは、指定感染症の2類(結核やSARSと同類)に分類され入院勧告となります。検査で陽性反応が出れば、全員入院措置(約2W)が必要となります。
でも入院しても治療薬がないのですから治療にも限界があります。治療薬がない段階では、検査を多くしても擬陽性を含む陽性患者が多くなり入院隔離により医療崩壊を起こすだけです。問診等により限定した検査と陽性反応が出ても軽症者には自宅待機できるよう感染症対応区分を変更し、医療崩壊を防ぐのがよいのかなと思います。
終わりに今後の希望的観測ですが、もちろんこのまま日本のやり方で外出制限や都市封鎖(ロックダウン)することなく推移し、ワクチンと治療薬が早期に開発され終息することを願っています。それまでは、現政府が信念をもって施策を推進することが必要だと思います。全て初めてのことであり、だれも正解を持っているわけではないのですから、いろいろ言われるでしょうが、我々は現政府を信じて要請又は指示の段階であってもこれに従っていくしかないでしょう。
最後に、一市民として我々にできること
1三密(密閉・密集・密着)を避けること
2不要不急の外出をしないこと
3手洗い・うがい・マスクを励行すること
この3つを励行したいと思います。