2020年3月

院長のつぶやき(21):31

 

 

 

<若乃花・貴乃花物語(中卒・高卒の差)>

 

 

 

おはようございます。全国の小・中・高全校休校等新型コロナウイルスが猛威を振るっていますが、一日も早い終息を願わずにはいられません。

 

さて、今月のつぶやきです。3月の卒業シーズンが近づくと思い出すことがあります。

 

 

 

それは、次女が中学3年生で高校受験の時、「高校には行きたくない、高校に行っても仕方がない(意味がない)。」と高校受験を拒否したことがありました。

 

 

 

中学生の頃にはよくあることで、体制への反発や現状からの逃避等の感情で、むげに頭ごなしに否定するわけにもいかないので、頭の痛い問題となります。

 

 

 

当時私は、単身赴任中で静岡県に住んでおり、1か月に1回ぐらい帰宅していました。次女の状況を妻から連絡を受け、前週帰宅したばかりでしたが2週続けて帰宅し次女の説得に当たりました。

 

 

 

その時説得材料にしたのが、若乃花・貴乃花の学歴の差でした。その時は、「若乃花・貴乃花物語」として2人の学歴差を比較して話をしました。

 

 

 

当時相撲界は、若乃花と貴乃花の兄弟横綱で盛り上がっていました。しかし2人の学歴を見ると兄の若乃花は高卒で、弟の貴乃花は中卒で2人の学歴には差がありました。しかし2人とも角界入りした後、弛まぬ精進した結果最高位の横綱まで昇進しました。

 

 

 

私は次女にこの2人を引き合いに出し「あなたが貴乃花のように将来やることが決まっていて、それをやるために高校には行かないというのならそれでもいい。しかしまだ何もそこまで決まっていなくて、考えていないのなら、若乃花のように高校に行って考えてからでも遅くない。2人とも相撲界に入り努力して横綱になったのだから学歴の差はないよ」と説得しました。

 

 

 

と言うのも、長女が中学校3年生の時の高校進学説明会で、担当の先生が「高校に入る時は、自分の将来をしっかり考えて目標をもって進路を決めなさい。」と言っていたことに違和感を覚えていたからです。

 

 

 

「中学生くらいで将来の目標を確立できている子供はそんなにいないだろう」と思っていたからです。もちろん、この段階で将来のビジョンを持ち、貴乃花のようにその後も初心を貫き大成した人はいますが、普通の人は、まだあまり考えていないのが一般的ではないでしょうか。

 

 

 

次女は私の説得が効いたかどうかわかりませんが、資料を調べて行くべき高校を決め、その高校を受験し、無事入学し、3年間の高校生活を満喫し、無事卒業しました。その後やりたかった演劇の世界で青春を謳歌し、結婚して現在に至っています。今でも高校時代の同級生と交流を続けており、生涯にわたる友を得たようです。

 

 

 

後々聞いたところ「高校に行ってよかった。」と言っていました。

 

 

 

中学生頃の自己判断には、経験不足から周囲の意見に流されたり、その場の雰囲気で結論を出しがちです。そこの肝心なところをうまく導いてやるのが親の務めの一つだと思います。

 

 

人生100年と言われる今、若いころの2,3年は、ほんの一瞬です。若いころの一時期を勉学や友達作りに充実させるとともに、自分の将来について考える時間をじっくり持たせてやることは、子供にとって決して回り道にはならず、長い人生には必要なことではないでしょうか。